ソガベツの滝 (浦河町)
ソガベツの滝に通じる春別林道が想像以上に大変な林道でした。それだけに滝を目にした時の感激はいつも以上だったことを今でも鮮明に覚えています。
ソガベツの滝 概要
読み | そがべつのたき |
場所 | 浦河町上西舎(かみにしちゃ) |
川名 | 日高幌別川支流ソガベツ川 |
落差 | 30m |
幅 | |
形状 | 段瀑 |
地形図 | 日高幌別川上流浦河 西舎 上杵臼 |
難易度 | ★★★★☆ |
特記 |
ソガベツの滝までのアプローチ
ルート (R=国道 r=道道) | 駐車場 | 徒歩 | 特記 |
R236→r746→春別林道→ソガベツ林道 | なし | 70分 |
ゲートから滝の看板まではおよそ4km(過去記事の中では5kmほどと書いてましたが)。車を駐めた春別林道ゲート付近は広いスペースが有り、一台駐めておく分には問題はありませんでした。
春別は「日高幌別川」が別名「春別川」と呼ばれることと関係があると思われます。
まずは国道236号線からオロマップキャンプ場をめざします
苫小牧方面から国道235号線を浦河方面へ進みます。
浦河市街を通り過ぎ5kmほど走ると国道336号線襟裳国道と国道236号線天馬街道の分岐、これは天馬街道の方へ進みます。
優駿ビレッジAERUへの分岐からおよそ1kmで天馬街道は右に90度カーブしますが、カーブをぬけてすぐ左折して道道746号高見西舎(たかみにしちゃ)線に入ります。
道道を5kmほど走るとオロマップキャンプ場への看板があるので右折、道道とはお別れです。ここからダートになり2kmほどでオロマップキャンプ場の入り口です。
春別林道を車止めゲートまで進んでみます
オロマップキャンプ場までの2kmのダートは悪路というほどではありませんが、キャンプ場を過ぎると急に道が悪くなり走行には細心の注意が必要です。キャンプ場の先へはあまり人が行かないということでしょうか?
以下、2005年の記録をかいつまんで車止め林道ゲートまでの概要をまとめておきます。
オロマップキャンプ場を起点として
- 4km弱で最初の分岐→右へ
- 4.2kmで林道ゲート→開いていた
- 7km強で(ゲートから約3km)きれいな沢が見られた
- 約7.5kmで(沢から約300m)分岐→右へ
- すぐ橋を渡る
- すぐ林道ゲート→開いていた
- 9km弱(前のゲートから1km)でゲート→閉まっていた
最初の林道ゲート(開)から沢を見た場所までの間にはいつ落石があってもおかしくないような場所が何箇所かある旨記載がありました。これだけでも相当ヘビーな林道ですがこんなもんではありません。
ソガベツの滝散策の概要
2005年当時書いた記録は興奮冷めやらぬといった感じでまとまりのない長い文章になっています(まとまりがないのはいつものことですがこの時は輪をかけて)。ここでは車止めゲートからソガベツの滝まで歩いた時の概要をまとめてみました。
- 散策開始早々土砂崩れ跡に出鼻をくじかれそうになる
- 断崖絶壁にあるヘビーな春別林道にビビりながらも堪能
- ソガベツ川を渡りソガベツ林道に入り
- 滝の看板から50mほどの遊歩道を歩き滝見ゲット
- 下から見るためソガベツ川伝いに歩くも途中で断念
上記をこの日撮った写真でスライドショーにまとめてみました。春別林道のきびしい様子を感じていただけたら幸いです。この林道、ハンパな気持ちでは歩けません!
ソガベツの滝 動画
滝の動画はアングルが俯瞰だけなのでイマイチですが、ヘビーな春別林道を4kmも歩いて動画を撮影したことに貴重な価値があるんではないかと思います。
2005年に書いたソガベツの滝散策の記録から抜粋
ここからは少し長いですが2005年当時書いた記録をほぼそのまま掲載します。
ソガベツの滝まで歩くことを決めた理由
この時は「ショシベツの滝」を目指したものの早々に断念したあとの訪問でした。
「雪解け等で崩落の危険があるため当面の期間一般車両の通行を禁止します。」
ついさっき、ショシベツの滝への林道にあった文面と同じだ。あんまり堅いこといわず通してよ・・・ 。このあと、こう思ったことを、すぐ後悔することになるのだが・・・。
ここまで来て、目的の滝を2つとも見ることができないというのも納得できない。かといってゲートを開ける手段はない。「歩くか」そう思って車の走行計を見ると、オロマップキャンプ場からここまで8.8km。
ネット情報によると、キャンプ場から滝までは15kmほどと書いてあった。これが正しければ、残り6km強。地形図を見ると5kmほどか?いずれにしてもそれほど厳しい距離ではない。ということで、トレッキングシューズにはきかえる事にする。
なお、この林道ゲート付近は、右岸林道(だったか?)への分岐であり、工事に使うのか、土砂が山ほど積まれており、クレーン車などもあった。それだけ広いスペースがあり、車一台止めておくのは問題なかった。(工事も行なわれていなかった)
過去記事では車止めゲートからソガベツの滝までは5kmほどと書いていましたが、あらためて確認すると4kmちょっとでした。
林道ゲートが閉じていた理由はとてもわかりやすかった
ゲートを越えて歩き始める。道の状態はゲートの前と何も変わらない。「なんで通れないんだ」と思っていたら、すぐその答えがわかった。
500mも歩かない内に、崖崩れの跡があった。歩くには全く支障がないが、間違いなく車は通れない。しかもここまで進んでいたら転回も難しいであろう。納得!
春別林道は正直かなりヤバイです
この林道の断崖はすごい。写真2(注:上の写真)は高さが30mくらいで、かなり急ではあるが、一応傾斜しているといって良いだろう(もちろんそこに立てば結構怖い)。
しかし、もう少し進んだ先には、真下まで完全に垂直の崖がある。モイチャン林道から、モイチャン滝を見下ろす場所もすごい断崖だが、それでも例えばそこからものを落としても、(あくまでたとえばの話)一番下まで落ちきるまでには、岩壁にぶつかったりして転がり落ちるだろう。
しかし、その場所ではまっすぐ真下に落ちていく。さえぎるものが全くなく、足元に真下が見える。あまりに恐ろしくて、高さはどれくらいだろうなんて、冷静に見ることはできなかったが、先のモイチャン滝の断崖に匹敵するだろうと思われる。
これを見て、次回ここに来ることがあって、たとえゲートが開いていても、車では絶対やめようと思った。
かなりやばそうな林道には間違いないし、特に地形図で、崖のマークになっているところは、いつ崩落してもおかしくない場所が何箇所もある。
でも、こういうところばかりでなく、ごく普通の、いわゆる林道(作業車が通ることのできるくらいの)といった趣の場所もたくさんある。
ヘビーな春別林道の雰囲気にもなれてきました
崩落に注意しながら、また多分、今時期しか見られないであろう沢の水など、自然を堪能しながらゆるい上りを進む。日高幌別川がずいぶんと下に見える。
早朝にはぽつぽつ落ちていた雨も降る気配はなく、歩くにはちょうどよい日だったかもしれない。
春別林道は下りになりソガベツ川にかかる橋を渡ります
地図2で、最後の岩崩れがあった辺りからゆっくり、そして徐々に急なくだりになる。あれだけ下に見えた川がどんどん近づいてくる。この辺で見えるのは、幌別川ではなくソガベツ川であろう。そしてソガベツ川を渡る橋に到着。
歩いてからはじめて間近で見る川の姿だ。歩き始めておよそ1時間が経過していた。
春別林道からソガベツ林道へ分岐後まもなく滝の看板
橋を渡り、さらに林道を進む。また結構急なのぼりになる。まもなく分岐に出るので右へ進む。
道なりに進んでいくと、やがて林道右手に「ソガベツの滝」看板が目に入る。看板があるとは思ってもいなかったが、設置されてからまだ間もないのであろう、とてもきれいで立派な看板だった。橋からは600〜700mくらい歩いただろうか?
林道分岐は左に進むと春別林道、右はソガベツ林道になります。
俯瞰のソガベツの滝に満足半分不満半分
看板のすぐ横に、滝への遊歩道がある。ここからでは確認のしようがないが、川までの高さはかなりあるはず。どこまで下りていけるのだろうと期待するが、 50mほど歩いてすぐ終点となる。
かなり高い位置から、見下ろす形でソガベツの滝が見える。草木が邪魔で、滝つぼのほうまでは見えない。しかし、深い渓谷の切れ込みから 2段になって落ちる様はとても印象的だ。下からでは絶対見られないであろう上段の滝つぼがはっきり見える。歩いてきたかいがある。
この俯瞰の画だけでも、十分満足できる滝だが、やはり下からの画も収めてみたい。しかしここから下に下りるのはまず不可能だ。行くとすれば、先ほどの橋まで戻って、そこから川に沿って進むしかないと思い、一通りビデオを回した後橋まで戻る。
ソガベツ川伝いに歩くも途中で断念
写真13(注:上の写真)でみるように、左岸側は整備されていて(といってもここでも岩が崩れている)、こちら側を行きたくなるが、地形図でみると微妙な上りになっていて、滝の手前からは断崖になっている。よって右岸側を進むことにする。
写真に見られる川原を、ずっと歩いていけそうだが、すぐいけなくなる。サワーサンダルに履き替えれば楽に進めそうだが、遡行を想定しておらず、車においてきた。簡単に戻れる距離ではないので、陸の上を藪こぎで進むことにする。
この季節だからまだ進めるが、夏場は絶対無理だ。進めるだけ進んでみたが、途中で歩ける部分がなくなるのを確認できたため、そこであきらめる。ちなみに左岸側はかなり手前から断崖状態で、右岸を進んだのが正解だとわかる。
教訓:どんなときにもサワーサンダルは忘れるな!
ちなみにサワーサンダルなら、川の中を通ってもここまでは間違いなく到達できる。しかも藪こぎ、アップダウンの繰返しなしにもっと楽に・・・。その先、滝までは確認できないが多分・・・行けるだろう・・・ 😕
過去記事はすべて2005年5月28日(土)の記録
参考になるサイト
製品情報編集 – 工房らくだ舎
日高幌別川の別名について解説があります
最後に
車止めゲートから歩き始めたのが午前11時ころ、戻ってきたのは14時30分。きれいな川の水には癒されたものの・・・。
また行きたいかと聞かれて「また行きたい」とは即答できません。それほどヘビーな春別林道だったわけですが、今思い返せばかなり無茶をしたかもしれません。
ただ、心残りはソガベツの滝を下から見られるかどうか確認できていないこと。いつか確認してみたいと思うもののこの滝についてはないかもしれません。
訪問日2005年5月28日(土)
さいごまでご覧いただきありがとうございました・・・m(__)m