積丹大滝 / 大滝(積丹町)
2017/03/07
積丹大滝の存在を知ってから3年目にしてやっと目にすることができました。
積丹大滝 概要
読み | しゃこたんおおたき |
別名 | 大滝 |
場所 | 積丹町野塚 |
川名 | 大滝川 |
落差 | 35m |
幅 | 7m |
形状 | 直瀑 |
地形図 | 余別 |
難易度 | ★★★★★ |
大滝川堰堤までのアプローチ
積丹大滝へのアプローチは遡行が必須になりますが、まず入渓地点となる大滝川の堰堤までのアプローチをざっくりと。堰堤まで説明は2007年6月7日、本格的な緑の季節になる前に書いた過去記事(未到の記録)からの引用になります。
ルート (R=国道 r=道道) | 駐車場 | 徒歩 | 特記 |
R229→農地開発道路 | なし | 徒歩10分+遡行80分 |
国道229号線を、美国から神威岬方面へ。
途中、積丹岬へ抜ける道道913号線への分岐があるが、ここを起点として、国道229号線を4.5kmほど進み、「農地開発道路 第2号幹線道路」へ左折。
国道沿いには、特に目印になりそうなものはないが、左折後すぐ、道路名を書いた青看板があるので、間違えることはないかと思う。
左折後、1km弱走ると右手に貯水池が見えてくる。道も細くなり右カーブしているが、そのまま道なりに300mほど進むと、ちょっとした空き地に出る。貯水池を管理しているのであろう、小さな建物も見える。
空き地からさらに林道が延びている。写真5で見るように、この日は車でも進むことができたが、夏場は草がのびてきびしいそうな感じ。この空き地に車をおいて歩いた方がよいかもしれない。
林道を300mほど進むと分岐。左股はすぐ左カーブしてかなり急勾配。車で進むのはかなり難しい。右股はすぐ行き止まり。
ここに車をとめて降りてみると、沢の音が聞こえる。車ではこれ以上進めそうにないが、踏分っぽい道が奥に延びているので、歩いて進んでみることにする。
なお25000分の1地形図について、車を止めた位置から先、入渓地点までも道がついているが、今日確認した限りでは、「確かに昔は道がついていた様に見えるが、今はかすかにその痕跡が残る程度で、とても道と呼べる状況ではない」こと、左股の林道は地形図上にはないこと、2点を追記しておく。
この時期なのに、蚊などの虫が異常に多い。遡行の準備は車の中でしなければならなかった。夏場はアブも大量にいるはずだ(昨年[=2006年]8月、貯水池まで下見にきたときがそうだった)。
準備ができて11時40分頃出発。最初の100mほどは踏分がはっきりしていて、普通に歩けるが、途中から草が伸び放題で、しかも、倒木が草の中に隠れていたりで非常に歩きづらい。
大滝川は進行方向すぐ右手を走っているようだが、ささやぶで見えず音だけで確認する。その沢の音から、水量が多いことが想像できた。
2007年の訪問では大滝川の増水のため断念せざるを得ませんでした。
車をおりて300mくらい進んだだろうか、大滝川と出会う。ネットの写真で見た堰堤がすぐ目に入る。
音で想像したとおり、水量が多く流れも速い。昨日の雨のせいなのか、まだ山頂には雪が残っていたので融雪期のせいなのか、両方の影響なのかわからないが、かなり危険そうだ。
行けるところまで行ってみようと入渓するが、たった50mほど進んで断念する。この50m進むのに5分以上はかかっただろう。残念ながら、またの機会に持ち越しだ・・・ ;( 。
ここまでの記事は2007年6月7日(木)の記録から引用
積丹大滝 2008年の記録から抜粋
以下、2008年に積丹大滝を初めて目にした時の記録です。
駐車スペースは静かだった
2007年と同じ場所に車を止める。気温は9月としては高い方で、真夏の日差しとかわらないほど。一番心配していた「アブ」は、幸いなことに今回はまったくいない。
ゆっくりと遡行の準備をする。とても静かである。なんの音も聞こえない。いや、かすかに沢の音だけが聞こえるか?
準備が整っていざ出発。昨年来た時は、ここから入渓地点の朽ちた堰堤まで、草をかき分けて進んだ。倒木が、行く手を阻み、歩きづらいことこの上なかった。ところが今回は、しっかり草が刈られ、倒木も撤去され、タイヤの跡まで残っている。薮こぎを覚悟していただけに、これはうれしい誤算だった。
歩き始めてすぐ、沢の音がはっきり聞こえてくる。昨年聞いた荒々しい響きではなく、せせらぎといった感じだろうか。歩いている間は、沢との間にある笹藪に阻まれて、目では確認できないのだが、水量が違いそうなのがはっきりわかる。
さっくり堰堤に到着
5分もかからず、入渓地点の朽ちた堰堤に到着。音で確認したとおり、水量が全然違う。昨年は川に入って、足を進めるだけでも苦労した水圧もほとんど感じない。これならあっさりたどり着くことができるだろう。
暗くかつ閉塞感を感じた大滝川の遡行 序盤戦
楽勝と思われたのは、堰堤から50mほどの所まで。その先は、とにかく歩きづらいの一言。大きめの石で覆われた川底。一歩一歩足場を確認しながら、ちんたらちんたら進んでいく。
それと、川を包み込むようにのびる木の枝で、夏のような日差しが完全にさえぎられ、夕暮れがせまってきたように暗い。圧迫感というか、閉塞感というか、それだけでも歩くのがいやになってくる。
日差しは戻るも足場は悪いままの中盤戦
堰堤を出発して30分ほどしたところで小休止をいれ、さらに奥へ向かう。足場の悪さは変わらないが、一時の暗さはなくなり、日差しも当たるようになってくる。
明るくなると、水が澄んでいることに気がつく。今まで見てきた中でも1,2位を争うといっても過言ではない。少し癒された。
積丹大滝が見えてきた
堰堤出発から1時間とちょっと。いくら歩いてもコンパスは南を指して、辟易してきた頃、前方で谷が南西方向に折れているのを確認。
ここから10分ほど歩き、進行方向が完全に南西を向いてまもなく、滝が姿をあらわした。遠目で見てもかなり落差があることがわかる。
積丹大滝の前に小滝が2つ
途中、右岸側の崖に滝状の流れを見つける。画像ではわかりづらいが、この時期でもはっきり流れが見えるので、季節限定の流れではないと思う。落差もかなりありそうだ。
さらに近づくと、正面に小滝が見える。これを越えれば、滝に到着のようだ。
積丹大滝の勇姿を堪能する
左岸からの撮影では全景が収まらない
堰堤出発後、およそ1時間半。大滝に到着。水量は思ったより少なかったが、思いっきり立派な滝だ。苦労してきた甲斐があるというものだ。
重いリュックをおろし、しばし滝に見入る。正面から見ると完全な直瀑に見えるが、左岸側から見ると、中央付近と滝壺の近くで、微妙に段差がついている。滝壺は、滝の大きさからみれば、そう大きくもなく、深さもない感じ。
ちなみに上の2枚を撮影した場所から上を見上げると・・・
正面に戻って撮影する。
全景をおさめるためには写真14で見た小滝の上まで下がる。大滝までの距離は30mほどだったろうか?
滝を撮影する時いつも思うことだが、大きな滝になればなるほど、全景を撮ると迫力のない写真になってしまう。写真の宿命といってしまえばそれまでだが、だからこそ、自分の目で見ようと思うのかもしれない。
ここまでの記事は2008年9月14日(日)の記録
最後に
2005年頃積丹大滝の存在を知って、その年の内に(なんのついでだか忘れてしまいましたが)近くを通った際に貯水池の位置を確認しました。
翌2006年8月には積丹大滝にアプローチすべく貯水池で遡行の準備をしていましたが、アブの大群がものすごく遡行どころではなくおそれをなして退散(ちなみに2005年、2006年の記録は残っていません)。
2007年はこのページに書いたとおり大滝川の増水で遡行を断念。2008年苦労の甲斐あってやっと目にすることができました。
欲をいえば紅葉の時期にすればよかったと今更ながらに思うのですが、もう一度行きたいとは思わないくらいハードな遡行でした。過去記事は次のように締めくくってました。
このサイトでは、「季節を変えてまた見たい」などと締める事が多いが、この滝には多分2度と来ないだろう。そんな気がしたので、滝の姿を目に焼き付けながら、弁当を食べることにした。
訪問日下見2005年??月??日未踏2006年08月??日未踏2007年06月07日2008年09月14日
さいごまでご覧いただきありがとうございました・・・m(__)m