歌音の滝/美唄の滝/我路沢の滝 我路の沢川に見る美唄の3つの滝+2
かつて炭鉱で栄えた美唄市我路町。町の中を流れる我路の沢川には滝マークがいくつか打たれています。今回はダメ元で我路の沢川の滝を見に行きました。
我路の由来ですが沼東小学校脇のアイヌ語でカル(凹凸のある)と呼ばれていた沢がなまって我路となったといわれています。
ただ、アイヌ語由来ではないという説もあり本当のところはよくわかりません。(一帯の土地を所有していた桜井良三氏が美唄鉄道を「我が路を行く」とした説がよく知られているそうです)
我路の沢川までのアプローチ
この日は札幌から道央自動車道で美唄に入りました。
美唄インターを下りてすぐのT字路は道道135号美唄富良野線。右折して我路町を目指します。5.5kmほど道なりに進むと右手に美唄国設スキー場、我路レストハウスの建物が目に入ります。
これを越えるとすぐ我路の沢川にかかる赤色の「沼貝橋」が見えますが渡らずに橋のすぐ手前から我路の沢川左岸に沿ってのびる林道にはいります。
この林道ですが、道幅が狭い上に川のすぐ脇を通っているので車で通るのは危ないかなと思いました。この日は緑の季節の前だったので見通しはよかったのですが、夏場は草が林道の方に延びてきそうで余計狭く感じるかもしれません。
運転に自信がない場合は安全性を優先しレストハウス駐車場に駐めさせてもらうのがいいかもません。
「沼貝」はアイヌ語のピパ(=カラス貝(川真珠貝))・オ(=多い)・イ(=沼)を和訳したもので、1890(明治23)年にできた沼貝村という村名からきているようです。美唄という地名はアイヌ語を訳さず音をそのまま使ったもののようです。
歌音の滝が最初の目標
まずは我路の沢川の一番下流に位置する歌音の滝を目ざします。
我路の沢川にかかる最初の橋まで
この日は車で進みましたが林道入り口からでも500mほどの距離。緑の季節なら歩いて進む方がいいかもしれません。
林道入口から500mほどで最初の橋。ちょうどよい駐車スペースがあったので車を止める。まっすぐ進んでも、橋を渡っても道はついているが、とりあえずまっすぐ進んでみる。
二つめの橋までの様子
まっすぐ進んでも、橋を渡っても道はついているが、とりあえずまっすぐ進んでみる。
50mほど進んだところに一カ所、道が崩れている場所があったが、歩いて通る分には問題なし。200mほど進むと2つ目の橋。
まっすぐ進むと上りになって、川からやや遠ざかる方向にのびている。橋から上流を見ると、滝状の流れを見ることができる。これがおそらく目指す滝であろう。
歌音の滝 概要
読み | かおんのたき |
場所 | 美唄市美唄町我路の沢 |
川名 | 我路の沢川 |
落差 | 7m |
幅 | 7m |
形状 | 段瀑 |
地形図 | 幾春別 |
難易度 | ★★☆☆☆ |
歌音の滝 右岸からのアプローチ
歌音の滝の下流に滝状の流れが見えました。
(二つめの)橋を渡って右岸側を進む。
滝の50mほど下流に、滝状の流れが見える。落差はあまりないが、これも立派な滝といっていいと思う程だ。
さらに、今は無人と思われる家の前を通り過ぎて、滝のすぐそばまで近づく。左岸側と滝の上部は工事が施されているが、石炭の様な岩肌を勢いよく流れ落ちている。
上流の滝を目ざすため左岸側を歩くことにする
この(歌音の)滝だけを見るなら、この方法が一番簡単。今回は、このすぐ上流にある2つの滝も見る予定だったので先に進みたい。
しかし、このまま右岸側を進むのはかなりむずかしそう。左岸側の上流は開けていそうなので川を渡りたいが、細い丸太と鉄骨がかかっているだけ。
これを渡るのはかなり難儀、というか渡る気になれない(渡るためにかけてあるのだとすれば、かなり不親切)。しかたがないので2つ目の橋まで戻り、左岸側の上りの林道を進んでみようと思う。(美唄の滝へつづく)
最近の地理院地図を見ると右岸から歌音の滝に向かう道が滝の手前で左岸側に渡っているのが見られます。今は簡単に左岸に渡れるのかもしれません。
この日は上記の通り道がなかったので二つめの橋まで戻って左岸の道を進みました。
歌音の滝 左岸からのアプローチ
2番目の橋まで戻り、左岸にのびる林道を進む。
ここから傾斜がやや急になる。林道の右側には溝が掘れていて、水が川のように流れている。今の季節だけだろうけど、この水がどこからきているのか、不思議に思いながら進む。
200mくらい進んだだろうか、左手に直方体のコンクリートの固まりがある。橋げたの一部にも見えるが、何に使われていたのかはよくわからない。放置されてから、かなりの年月がたっているのだろう。コンクリートの上から木が生えている。
このコンクリートを越えるとすぐ、左手に先ほど間近で見た歌音の滝を見下ろす場所に出た。
下りる道はついていない。夏場はやぶになりそうな場所だ。この日は進んでいくのはそう難しくなさそうだ。葉っぱがほとんどついていない、小さな木の枝をつかみながら進んでいく。
下りた場所は滝を横から見る位置。こちら側からも撮影して、上流を目指す。
歌音の滝から美唄の滝を目ざす
この先も道はついていないが、草木が伸びる前なので歩くのはさほど難しくない。ただし今の時期だけで、夏場は完全に薮になるものと思われる。
歌音の滝のすぐ上流には、地形図にもある堰堤。これを越えると200mほど上流に滝状の流れが、さらに少し進むと左手前に別沢から落ちる大きな滝が見えてくる。
「地形図にある堰堤」の根拠が今となってはわかりません。
美唄の滝 見て感動!満足度100%
美唄の滝 概要
読み | びばいのたき |
場所 | 美唄市美唄町我路の沢 |
川名 | 我路の沢川支流 |
落差 | 15m |
幅 | 7m |
形状 | 直瀑 |
地形図 | 幾春別 |
難易度 | ★★★★☆ |
我路の沢川の左岸を上流に進む
この先も道はついていないが、草木が伸びる前なので歩くのはさほど難しくない。ただし今の時期だけで、夏場は完全に薮になるものと思われる。歌音の滝のすぐ上流には、地形図にもある堰堤。これを越えると200mほど上流に滝状の流れが、さらに少し進むと左手前に別沢から落ちる大きな滝が見えてくる。
美唄の滝 遠くから見ても豪快さが伝わる
手前、別沢の滝を先に見る。看板はあるわけではないので名前は不明だが、ネットで調べた歌音の滝上流の滝ということで、ここではこれを「美唄の滝」とする。
我路の沢川をはさんで反対側の沢からおちているので、ちょっと遠目に見ることになり、葉っぱはないものの木の枝が景観を邪魔している。
美唄の滝を間近で見る
こんな立派な滝を、ここまで来てそばまで近づかない手はない。サワーサンダルに履き替えて川を渡る。
ちなみにこの日は深いところで膝が隠れるほどあり、流れもそれなりに速かったが、川幅は2mほどと狭かったのでなんなく渡ることができた。
感動もそこそこにさらに上流へ
落差は20mをこえるだろう、一気に落ちてくる様は、「これが滝だ」といえるほど豪快で、かつ優雅さも感じられる。景観をさえぎる木の葉も少なく、かつこの水量、ここに辿り着くまでの過程などを考えても、偶然とはいえベストの時期に見ることができたと言えるだろう。満足度ほぼ100点。(我路沢の滝へ続く)
我路沢の滝 本流にかかる豪快な滝
美唄の滝の勇姿を見た満足感にひたりながら、さらに上流をめざす。
すでに見えている滝は、先のネット情報によれば、美唄の滝の上流ということで「我路沢の滝」としておく。落差は先の歌音の滝よりもないくらいだが、川幅いっぱいの豪快な流れが遠目でも見てとれる。我路の沢川の右岸側を進んで近づく。
我路沢の滝 概要
読み | 我路沢のたき |
場所 | 美唄市美唄町我路の沢 |
川名 | 我路の沢川支流 |
落差 | 5m |
幅 | 15m |
形状 | 段瀑 |
地形図 | 幾春別 |
難易度 | ★★★★☆ |
正面から見ると、左岸側に段差があるくらいで、全体的にのっぺり見えるのだが、ちょっと俯瞰から見ると、上側にも段差があって、けっこう複雑な流れになっている。
滝見の満足度としては、美唄の滝に比べるとかなり小さいが、それでもダメ元で見に来た目的の滝を、すべて見ることができたので、トータルで見れば満足度はほぼ満点といっていいであろう。
目的の3滝をすべて見て撮影もすませるとほっと一息、春を感じさせる光景が目に入ってきました。
我路の沢川上流の滝(仮)の下調べ?
さて、25000分の1地形図を見ると、この日みた3滝の1kmほど上流に、もう一つ滝マークがうたれている。ここでは、「我路の沢川上流の滝」と呼ぶことにするが、この滝を見ることはできるのか?
我路沢の滝の左岸側から高巻きして、上流を覗いてみることにする。かなり急な坂だが、木の枝などにつかまりながらなんとか上り詰める。夏場は薮になって難しいだろうな・・・。登っている途中や登りつめてからも、石炭のような黒い岩肌がいたるところに見られた。
地形図上にある、次の堰堤までの様子を確認することができたが、正直言ってかなり難儀そう。滝までずっと写真で見るような感じであれば、遡行して行けそうな気もするが・・・。
今日はすでに14時をまわっていたので、これ以上進むことはやめたが、いつか機会を見てどこまで進めるか見てみたい。
このページ一番下の地図参照のこと。
我路の沢川左岸に滝状の流れを見つけた
美唄の滝から我路沢の滝に向かう時は、右岸側を通ったので気づかなかったのだが、左岸側を引き返す途中、美唄の滝からほんの50mほど上流側の別沢から、細々とした水の流れを見つける。
今の時期しか見られないもののように見えるが、落差が20mはありそうなことと、落ちる斜面が珍しい感じだったので、当サイトではこの滝を特別に「季節限定無名滝1」と呼ぶことにする。
林道の溝に落ちる滝状の流れ
美唄の滝のページで書いた、林道の溝を流れる水源の一つ、歌音の滝への下り口からほんの20mほど進んだ、川と反対側の斜面に写真3、4の流れを見つける。これを当サイトでは「季節限定無名滝2」としておく。
ちなみに、林道溝の流れの終点は写真5、2つ目の橋から我路の沢川に注いでいた。(水源の一つ、と書いたのは、林道の溝はさらに上へ続いていて、この場所で無名滝2の流れと合流した形となっているため。上の流れは確認しなかった。)
無名滝2つはいずれも季節限定のものと思われます。
過去記事はすべて2007年5月11日(金)の記録
最後に
この日は歌音の滝から上流に向かうため2つめの橋まで戻って左岸の林道経由で行きました。
この記事を書くに当たり地形図を見直すと、歌音の滝のすぐ手前で右岸から左岸に渡る道があり美唄の滝付近まで延びていました。
この地形図通りだとかなり楽できそうですが実際はどうなんでしょう?機会を見て確認したいですね。
訪問日2007年05月11日(金)
さいごまでご覧いただきありがとうございました・・・m(__)m